質問テーマ
[中小企業の経営革新支援]中小企業経営革新支援法
質問のポイント
1. 中小企業経営革新支援法
- 個々の中小企業者が「経営革新計画」を策定し、 個別に助成を受けられるようになるが、 これまでの尺度では測れない新たな企業価値を、 どのような「基準」でまた「誰」が判断することになるのか。
- 新規創業支援に重点を置いた経営革新支援法を今後実際に機能させていく上では、 政府行政の中小ベンチャー対策のトップに民間の実務者を登用するなど、 思い切った人事を行い、 現場に即したアドバイスを逐次吸い上げて行くべきではないか。
- 事前の評価もさることながら、 行われた支援によってどのような効果が得られたのか、 「事後評価」が必ず実施されるべき。 「事後評価」やその「公表」に関してどのような対応を考えているか。
- 変化の早い経済に柔軟かつ機動的に対応するため、 従来のような強固な企業間連携よりも、それぞれの企業が得意とする分野に特化し、 不足する資源は他の企業との緩やかな連携によって補完するような新たな組織化を促す必要があるが、 それをどのように支援していくのか。
- 相対的に経営基盤が脆弱な中小企業は、 経営環境の激変により存続が危ぶまれる事態が生じることも有り得る。 そうした場合、緊急避難的な措置を弾力的かつ機動的に行う必要があると思うが、 セーフティーネットをどのように考えているか。
2. 日本版SBIR(中小企業技術革新支援制度)
- 日本版SBIRでは技術開発段階のみならず、 米国のように事業化まで一貫した支援体制というものが整備されているか。
- この制度を実際に機能させるためには、 技術力よりも過去の実績や信用力を重視するといったこれまでの審査体制を抜本的に見直す必要があると思うが、 どのように措置するのか。
質疑要旨
畑 議員 今回の「中小企業経営革新支援法案」は、 単に「中小企業近代化促進法」と「中小企業新分野進出等円滑法」 という既存の中小企業支援のための二法を発展的に統合させたに留まらず、 今日のグローバル化、情報化、 サービス化が加速度的に進展する経営環境に対応するよう、中小企業政策そのものを、 その理念から抜本的に見直したものとして、まず高く評価したい。
これまでの中小企業対策といえば、その主眼は「弱者救済」、 「格差是正」であったが、これでは護送船団方式にならざるを得なかった。 しかしこの度の法案の趣旨は、意欲ある企業の独立性や自助努力を支援し、 各企業の個性や多様性を重視し、 伸びる企業をもっと伸ばす方向により重きを置いたもの。 是非この趣旨通りに具体的な支援策が実施されて欲しい。
まず実際にその申請を行った際の審査のあり方について伺いたい。 これまでの「近代化促進法」では商工組合などが業種ぐるみで 「構造改善計画」を策定し、 組合員である各中小企業者は主務大臣より承認を受けた旨の証明書を組合からもらって、 それを中小公庫などに持って行って助成を受けるだけだった。 しかし今回の法案では、個々の中小企業者も「経営革新計画」を策定し、審査を仰ぎ、 個別に助成を受けられる。 こうした措置によって、個々の企業の新規性や意欲が評価され、 それに応じて支援が為されるのだとすれば実に画期的なことだが、 これまでの尺度では測れない新たな企業価値を、 どのような「基準」でまた「誰」が判断することになるのか。
「経営革新計画」というのを、中小企業の方々、 個々の事業者あるいはグループ、組合でつくっていただくわけだが、 これについて具体的に法律上に書いてあるが、 一つの都道府県の域内に留まる事業者が試みる場合は都道府県知事が承認し、 その他の場合については通産大臣と経営革新の内容たる事業を所管する大臣が審査をすることになっている。
具体的には、 新商品の開発や生産あるいは商品の新たな生産方式の導入等新たな事業活動であって、 かつ経営の相当程度の向上が見込まれるものを経営革新として定義している。 さらに、経営革新計画の内容において、 付加価値等の指標に基づく経営の相当程度の向上が図られることを要件の一つとしている。
「経営革新計画」を都道府県で審査する場合には、 当然なかなか難しい判断を要するものと思われる。審査権限者である都道府県や国、 また実際に申請をする中小企業の方にもある程度予測可能性が必要になるので、 この法案が成立した後、「経営革新指針」というものを通産大臣が定め、 経営革新に関する内容、実施方法等についてできるだけ詳細に規定したい。 さらに、法律上にはないが、 都道府県に対して具体的な審査マニュアル的なものを提供したいと思っている。
また手続き面が整備されても、 業種ごとに新規性とか市場性とかについて特殊なノウハウが必要となるので、 これらについては今後の流れになると思うが、外部の経営資源、 審査能力というものを活用できるような場を都道府県や国に設けるという形で対応を図っていきたい。
経営革新指針の設置、 審査マニュアルの提供等具体的な措置を考えているということなので大いに期待したいと思う。 また是非、外部の審査能力・ノウハウも積極的に取り入れて活用して頂きたい。
今、長官のお言葉にもあったように、 昨今ブームとも言えるほど株価が高騰しているインターネット企業やハイテク産業などは、 伝統的な指標ではなかなかその潜在的価値は測りづらい。 特殊なノウハウの導入も考えているとのことだが、 例えば、シリコンバレーのオピニオンリーダーとして名高いレジス・マッケンナ氏も、 「情報通信のような変化のスピードの速い産業では、実物資産、 いわゆる帳簿上の資産は技術革新への即応力を鈍らせるのでむしろマイナスである。 新たな価値基準として顧客資産、 つまりどれだけのクライアントリストを持っているかとか、 そういうことに注目すべきだ」と述べている。 変化にキャッチアップしていくことは非常にパワーのいることだが、 審査する側の発想の転換というものをぜひ進めて頂きたい。
クリントン大統領もかつて政府の「ベンチャー企業推進委員会」のヘッドに、 大手ベンチャー・キャピタルのアラン・パトリコフ代表を据えて、 実務者の視点に立った改革を行って非常に成果を上げた。 新規創業支援に重点を置いた経営革新支援法案ならば、 それを今後実際に機能させて行く上で、こうした思い切った人事を行い、 現場に即したアドバイスを随時吸い上げて行くべきだと思うがいかがか。
「中小企業経営革新支援法」は、 新たな事業活動を通じた中小企業の経営全体の高付加価値等を支援する振興法である。 したがって、法の運用に当たっては、 中小企業の経営問題等に精通する実務者の意見を取り入れることは大変重要であると認識している。
そこで具体的な制度設計に当たっては、 実務家や有識者の意見を積極的に取り入れると共に、法の運用に際しても、 中小企業診断士や公認会計士など経営診断の専門家の協力を得ることを検討している。
是非そうした個々の作業に実務者の声を反映させていただくのと同時に、 さらにもう一段踏み込んで、 組織のトップのところに実務者の意見が直接生かされるような措置を実施して頂きたい。 私自身も、先日幕張メッセで行われた東京ゲームショーを視察し、 コンテンツ・クリエターであるとかソフト会社の企業家たちと実際に現場で話してみると、 やはりマスメディアを通じた情報などで想定していることとは色々と異なった問題も多く気付かされる。 大臣御自身も非常に忙しいとは思うが、そういう実務者のトップの方々は若い世代で、 発想そのものが新鮮なので、できるだけ直接交流をして意見を吸い上げて頂きたい。
事前の評価もさることながら、 行われた支援によってどのような効果が得られたのか、「事後評価」も大切である。 しかしながらこれまでの「近代化促進法」では政策評価が為されていないため、 なんと20年以上の長きに亘って、 ほぼ同様の構造改善計画を実施している業種も多く存在すると聞く。 中小企業庁の調査でも、 組合により策定された計画と個別企業の経営課題とが一致するとする企業が、 約2割しかないという結果が出ているようだが、 今後、事後の評価やその公表に関してどのような対応を考えているのか。
「経営革新計画」は、 我々の予定では5年間程度の計画を中小企業の方々につくっていただくことになると考えているが、 計画実施後にどういった効果が上がったかについては、 いろいろな経済指標などを駆使して、成功事例あるいは失敗事例という形で整理して、 できるだけ公表したいと考えている。
ただ、本制度は法律上、 行政庁の方で計画期間の中間年において進行状況を調査するという規定があるところが、 今までの「中小企業近代化促進法」とは大きく異なる点である。
5年の計画終了後の評価に加えて、計画を実施している最中、 2年後、3年後においても進捗状況について調査し、 アドバイスが必要であればその時点で加えることにしている。御指摘のように、 いくつかの業種において20年以上にわたって構造改善計画が実施されていたのは事実であるが、 それはそれなりに必要性があって実施していたもので、今回の経営革新においては、 迅速に対応し効果を上げてもらうという観点から、 進捗状況を調査するという仕組みを設けた。
事業後のみならず事業中においても、 随時その進捗状況を調査しアドバイスをを加えていくということだが、 適時適切な評価により必要な方向修正がなされ、 最良の結果が生まれることを期待している。
今回の法案の基本理念とも言える、 変化の早い経済に柔軟かつ機動的に対応できる中小企業支援を実践するとなれば、 従来のような強固な企業間連携よりも、それぞれの企業が得意とする分野に特化し、 不足する経営資源は他の企業との緩やかな連携によって補完するような組織化を促す方向性を採るものと思われるが、 この法案ではこうした緩やかな新たな連携という組織化の後押しをどういう形でしいていくのか。 また、そのような新たな形態を発展させるとなると、 アウトソーシングの有効利用が当然必要となってくると思われるが、 その促進ということについてもあわせて伺いたい。
「中小企業近代化促進法」と今回の法案の大きな違いは、 業種ぐるみの全国組合に加えて、 個別の中小企業者あるいは任意のグループ等についても計画主体として、 計画の作成資格を与えているところである。
御指摘のように中小企業者の場合は、すべての経営資源を自ら調達する、 具備するというのは大変難しい状況にあるので、できるだけ得意分野を持ち寄って、 他社と連携して課題に対応していくということが大変有効だと考えている。 したがって、今回の場合も、アウトソーシング、企業連携、 そういったもので他社と一緒になって経営革新計画をつくる場合も法律上の対象にしている。
その結果、従来中小企業事業団から高度化融資ということで長期無利子融資が受けられるという制度があったが、 これについても、従来の組合のみを対象とした考え方から、 4社以上の任意グループが経営革新計画をつくる場合もこの長期低利の融資制度が使えるように助成措置を格段に拡充した。
それからアウトソーシング一般の問題として、 私どもはこの法律をつくる前からコーディネート活動支援補助事業というのを持っていて、 中小企業者がいろいろな外部経営資源と実際に遭遇する、 マッチングが行われるような活動に対して助成をするという制度も昨年から行っている。
きめ細やかな措置がとられているということがよくわかった。
さて、ここまでは今法案のいわば「攻め」の部分について伺ってきたが、 ここからは「守り」つまり「セーフティーネット」に関する措置についても是非伺っていきたい。 先程、昨今の経営環境ではスケールメリットが必ずしもプラスには働かないというマッケンナ氏の言葉を紹介したが、 さはさりながらやはり相対的に経営基盤が脆弱な中小企業は、 例えば為替の急激な変化や、市況の暴落、 連鎖倒産などによって経営環境が激変すると、 存続が危ぶまれる事態も大企業と違って多く生じる。そうした場合、 政府は緊急避難的な措置を弾力的かつ機動的に講じる必要があると思うが、 どのような支援体制を想定しているのか。
経営革新支援法の中に二つの計画制度を用意している。 一つは今まで述べてきた「経営革新計画」で、 経営の相当程度の向上を図るために新事業等をやっていただく計画である。 もう一つは、「経営基盤強化計画」で、 畑議員が御指摘したような外的経済環境の急激な変動に対応して、 特定の業種の中小企業の方々が大変な困難に遭遇しているという場合に、 個々の中小企業者を含めて将来の経営革新計画をつくって前向きに対応するための基盤を整備してもらうもので、業種の指定を政令で行っている。 この指定を受けた業種に属する中小企業者の全国団体がこの計画を作成し、 承認を受けると、その傘下の組合員、メンバーの方々が個別に信用補完、 貸し付け等の諸種の助成手段を享受できる。
こういった場合、業種の指定をいかに迅速にやるかという点が問題になるので、 この点について我々としてはできるだけ機動的、 迅速に対応できるよう努力したいと思っている。
検討している間に倒産してしまうというのでは元も子もないので、 ぜひ機動的、迅速にお願いしたい。
ただこうした措置は、あくまでも緊急避難的措置でなければならない。 例えば企業の責任とは関係ないところで、 外的な要因によって大きな支障が生じた場合、 そしてそれもある限られた時限的措置であるということを踏まえた上で、 健全な市場原理に鑑みて本来舞台から退かなければいけない企業までもが残ってしまうことのないよう、 救うべきものは救うという方針で実行していただきたいと思う。
いずれにしても、中小企業庁設立50周年という大きな節目に当たりこのようなわが国の中小企業政策の大転換が行われるわけである。 今後実際にこの法案を現場で実行していくとなると、 更に政令とか省令で定めていく部分も多いとは思うが、 具体的な施策がこの法律をベースに進められ、見事な実が実ることを期待している。
さて変わって、「中小企業事業団法」だが、これは「中小企業信用保険公庫」、 「中小企業事業団」及び「繊維産業構造改善事業協会」が行ってきた事業が遺漏無く円滑に事業団へ引き継がれ、 また更に新事業の開拓促進に関する施策を充実・強化されることを確信して、 法案に賛成したい。
残りの時間で、同様の中小企業支援策として大変注目されている「日本版SBIR」、 「中小企業技術革新促進制度」について伺いたい。
今月1日に日本経済新聞がまとめた「国のベンチャー支援策に関するアンケート調査」でも、 回答した3分の2の企業がこの日本版SBIRに関心があると答え、 また3分の1が「自社に応募する技術案件がある」と答えており、 日本版SBIRに対し非常に期待が集中しているという結果が出ている。 日本版SBIRは言うまでもなく、 米国が1982年に制定した「スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチ法」がモデルで、 米国では現在連邦政府の研究開発予算のうち、 その2.5%もの割合を中小ベンチャー企業に配分しており、97年度は件数で約5000件、 金額ベースで約1400億円もの資金が投入されている。 日本では研究開発予算を持つ7省庁がそれぞれ参加企業を募集する訳だが、 政府全体の総額としては今年度どれくらいの規模の支援を見込んでいるのか。
「新事業創出促進法」が2月16日に施行され、 具体的に日本版SBIR制度が運用を開始したところである。 法案が昨年の12月に成立したので、今年度の予算は大きな数字にはならないが、 平成10年度の第3次補正予算に関しては、御指摘の7省庁のうちの通産省、科学技術庁、 郵政省の12の研究開発事業、これを特定補助金等として指定した。
平成11年度予算については、 現在関係各省庁との間で新しい形で特定補助金等の指定をすべく作業を進めているところである。 今年度先程の12の研究開発事業について、 実際に中小企業にいくらの金額が渡るかについては今後の作業に依拠するところだが、 約400億円ぐらいの規模の12特定補助事業というのが指定されている。 できるだけ大きな金額が中小企業の方に回るよう努力したい。
400億という金額を示していただいたが、先日の日経新聞には、 米国並みの水準を目指すということで今年度400億から500億円にという見出しが掲載されていた。 ぜひ頑張って上積みをしていただきたい。
米国でSBIR制度ができるまでは、日米の中小企業向け研究開発費は同程度だった。 ところがこの制度がてきてからは、 日本の総額は米国の25分の1と大きく水を開けられてしまった。 キャッチアップできるように、ぜひ重点的な予算措置をお願いしたい。
金額の多寡もさることながら、日米の研究開発支援の大きな違いは、 日本が技術開発段階のみにこれまで助成してきたのに対し、 米国では事業化まで一貫して支援していることである。 米国のSBIRの第一フェーズでは、フィージビリティースタディーの段階から、 既にどうやったら売れるかというプレマーケティングについて手掛けている。 その成果を持って第二フェーズに入るので、 研究開発支援を選定する仕方に無駄が無いわけである。
日本版SBIRでも、 こうした事業化までの一貫性した支援体制というのは整備されているのか。
畑議員御指摘のように、米国のSBIRにおいては、 第一フェーズから第三フェーズまで、 プレフィージビリティースタディーから始まって、 試作、実際の開発、事業化について制度が設けられているが、一点誤解があるのは、 最終的な事業化段階での助成手段というのは米国の制度の中には入っていないということである。
特定補助金を中心とした日本版SBIR制度においては、 フィージビリティースタディー段階の事業をするものもあれば、 試作の段階について助成をするものもある。 これからこの特定補助金の種類を増やしていくことによって、御指摘の第一フェーズ、 第二フェーズという問題について解決していくのではないかと思っている。
「新事業創出促進法」において米国の制度よりも長じている点は、 実際に事業化の段階になったときに信用保険制度とか投資育成会社を通じてお金を受け取れるなど、 事業化段階まで法律上の手当てをしているところである。もちろんこれ以外にも、 例えば事業団の持っている新たな助成金の制度とか、法律の範囲外ではあるが、 そういったものをできるだけ重ね合わせて利用できるようにして、 できるだけフィージビリティースタディー段階から開発、 事業化段階まで一貫したものになるよう努力したいと思っている。
日本の方が事業化段階では手厚い支援策が用意されているということだが、 米国と違いベンチャーに対するリスクマネーの供給が不足している分だけ、 資金的な支援は公的に行う必要があると思う。本家のSBIRでは、 事業化に35%が成功するという高い効果を上げているので、 日本でも本家を上回る高い効果を期待する。
最後に大臣に質問させていただく。 日本版SBIRという仕組み自体きわめて有効な支援策であることは、 今伺ってよくわかったが、 実際にこの制度を機能させるためには従来の審査体制の見直しが必要だと思う。 先程の「経営革新支援法案」と同様、評価のあり方が大きく問われるわけだが、 今の審査方法というのは技術力よりも過去の実績や信用力を重視するというところに重点が置かれているので、 実際にアントレプレナーの方々と話しをすると、 こういう審査方法で果たして実効性が上がるのかどうかとか、 自分たちのところは支援が受けられるのか、など危惧する声も出ている。
審査体制についてどのような見直し、配慮がなされているか、 あるいは今後なされるべきと考えているか、大臣に伺いたい。
御指摘のとおり、 日本版SBIRの実施に当たっては公正かつ的確な審査を実施していくことが重要と認識している。 「新事業創出促進法」に基づき定められた基本方針においても、技術の新規性、 事業化の可能性につき知見を有する人材を審査委員に加える等の配慮をすることとしている。
本制度においては、 特定補助金等として指定される研究開発予算にさまざまなものがあり、 審査体制について一概に申し上げることはできないが、評価は一般に、 科学技術的な意義、手法の妥当性、実施体制の妥当性、経済社会的な意義、 事業化の可能性等から行われるものと思料する。また、審査委員の選出に当たっては、 大学教授、国立研究機関の研究者、 民間研究機関の研究者等の中から当該事業の審査に必要な識見を有する者が選定されていると思料している。
いずれにしても、今後関係省庁とも連携し、 公正かつ的確な審査体制の確保に努めていく所存である。
評価ができる人材をいかに確保するかということが問題の要だと思う。 人材の選定とか育成ということには全力をあげて精励していただきたい。 例えば、今までの企業をスピンオフした方や、あるいは定年で現場を離れているが、 技術力であるとかノウハウ、見きわめる目を持った人物というのは、 掘り起こせば恐らく日本の中に数多くいると思う。 海外から呼ぶというのも一つの策ではあると思うが、 様々な方策を講じて、正しい評価、実効ある評価というものを行っていただきたい。