勉強会 vol. 1(平成7年11月6日)

講師

新進党衆議院議員 船田元先生

 第一回勉強会は新進党の船田元先生を講師にお招きして、11月6日正午よりスクワール麹町の芙蓉の間にて開催致しました。 勉強会は船田先生の講演でスタート。 宗教法人法の特別委員会などで多忙の合間を縫って駆けつけて下さった船田先生は約五十分に渡り講演されました。 第一勧業銀行相談役の羽倉信也様また作曲家の三枝成彰先生など、 各分野から約70名余りの方々が参加され、皆様熱心に聞き入っていらっしゃいました。

I.船田先生講演要旨

 多くの日本人は、日本の社会はどこかおかしいと感じています。 日本の豊かさを二十一世紀まで保てるのかという声も多く聞かれます。 この点について私は三つのネックがあると考えていました。
 一つは社会不安です。二番目は経済の低迷が長引いていること。 三番目は政界、政治の混迷です。

 1.日本の豊かさを保つためには

 では第一のネックである社会不安、 安全神話の崩壊にはどのように対応すべきでしょうか。 阪神大震災の時もそうであったように、ボランティアがその鍵を握るでしょう。 しかし、非常時のみならず、日常の地域社会、 生活の中でどう生かして行くかを考えなければなりません。 現在の公益法人法制度は小さな活動から始まるボランティアに対して公益法人の認可を与えにくい状況にあります。 そこで新進党の中では、NPO法案(市民公益法人を作りやすくするための法案) を今国会に提出しています。 小さな市民公益法人を作りやすくすることによってボランティア活動に相当、 力を与えることが可能になると思います。
 次に経済の活性化にはどのような処方箋が必要でしょうか。
 一つは規制緩和についてです。現在の規制緩和の多くは、 経済を活性化させるには効果的でない枝葉末節的なものばかりです。 なぜそういう事態になるのか。 それは今までの規制緩和が一律主義に陥っていたためです。 ですから、最も効果的だと思われる分野に絞って規制緩和をすべきです。 つまり「戦略的規制緩和」をすることによって、分野を絞って命令をしていく。 そうした方法で規制緩和を行わない限り、景気の刺激にはならないと思います。
 二番目の処方箋は、首都移転を政治の具体的な日程に載せるべきだというこ とです。
 なぜ今首都移転なのか。まず経済的な効果が期待できます。 首都建設にかかる公共投資は十四兆円とも言われていますが、 もっと大きな国家プロジェクトにもなり得ます。 もう一つの重要な効果は、東京を経済の首都として蘇らせることができることです。 現在東京は政治、経済のいずれもの首都であり、その機能が集中し過ぎている。 新たに都市の再開発をするにも容易ではない。 東京(=首都)の混雑ということが国家の経済効率を低下させています。 ですから東京は経済の首都に特化して、その反対に新首都は政治に特化する。 つまりアメリカにおけるワシントンとニューヨークのような状態が理想ではないかと思 います。 このように首都移転はやらなければならない国家プロジェクトとして位置づける必要があります。

 2.政治における二つの対立軸

 最後に政治における二つの対立軸について私個人の意見を述べてみたいと思います。
 一つは将来の世代、 今の我々の子供達やまだ生まれてこない子供達に政策の重点を移すことです。 勿論現在の世代の安寧や豊かさを維持していくことは重要です。 しかし今、あまりにも重点が(現代に)偏りすぎているように思います。 例えば、赤字国債のことがあります。今の国会の議論は「赤字国債を出す」 ことを前提に始まっています。確かに増税は簡単に出来るものではありません。 しかし、赤字国債の発行については、考え方があまりにも安易です。 これは戒めるべきです。
 そのためには、やはり小さな政府をある程度指向していかなければなりません。 このまま黙っていれば、国民負担率は50%を超えます。もし50%を超えれば、 日本の活力はなくなるでしょう。私は「国民負担率が50%未満になるような政治」 をすることを一つの軸として考えていきたいと思っています。
 もう一つの軸は、官僚主導の政治や行政を脱して、 民主導、つまり国民を主人公とした政治を実現することです。 官僚主導でやって来られたということは、実は民間もそれを認めて来たからなのです。 今までのような、もたれ合いの日本型システムではうまくやっていけません。 政府は、もっと政府自体の役割を限定し、 そして民間の役割も認識した上でやっていく必要があります。 民間も自立ということをきちんとしなければなりません。民間の自立を促すような、 いい意味での個人主義を確立した社会を作らなければなりません。 これが二番目の軸としてあるのではないかと思います。
 新進党内には様々な考え方がありますが、 私はそういう対立軸を明確にした仕事をしていきたいと考えています。
 御静聴ありがとうございました。

II.畑議員の挨拶、参加者による意見交換会

 船田先生の講演後、畑議員が挨拶。 今年三月に立候補を決意するまでのいきさつを振り返りながら、 様々な対立軸を擁しつつも積極的に自己改革をしていく新進党の象徴が船田先生であるとし、 今後もその教えを受けながら党内はもとより政治の場がより風通し良く活力のあるものとなるようつとめてゆきたいと語りました。
 また「官僚主導型の政治や行政に憤りと歯がゆさを覚える機会が既に度々あり、 こうした状況を打開するには、まず現在進行中の国会改革に力を入れ、 具体的な形として“民”主導型の政治を実現し、さらには脱官僚、脱規制、 脱ムラ社会を実現するためには明確な“国のビジョン”を掲げることが必須です。」 と述べました。
 その後会場からご意見・ご感想を募ったところ、 第一勧業銀行相談役の羽倉信也様より将来の世代を重視した政策とボランテイア活動の普及について積極的に取り組んで欲しいという要望が出されるなど活発な意見が相次ぎました。