設立趣旨
平成9年6月11日
“情報革命”とも言うべき通信の高度化が経済活動からライフスタイルまであらゆる社会システムを一変させようとしている今日、 その最先端で世界的な変革を余儀なくされているのが、『安全保障』に関する分野です。
わが国では、ここ数年危機管理に関して首相官邸の情報空洞化が指摘されています。 早急な改善をなさなければ、国家としての意志決定がおぼつかず、適切な対応は遅れ、 国民生活に決定的な危機をもたらす事態となりかねません。
そしてコンピューターへの依存度の高まりとともに、 今後予想される情報システムに対する物理的・電子的攻撃(情報テロリズム、 いわゆるインフォメーション・ウォーフェア)といった脅威への対策を講じることが急務となっています。
また米軍では、縦割りだったかってのシステムから、 今年1997年にマルチメディアを駆使したシームレスなネットワーク型の情報システムへの転換が完了し、 更に2008年完成を目指した新たな高度情報化システムの構築が始まろうとしています。 こうした防衛に関するネットワーク・セキュリティ確立やマルチメディア化の動きは、 確実にNATOへと波及し、 今、日本の安全保障政策に対しても喫緊の課題として突きつけられています。
そこで当研究会は政務調査会における「安全保障調査会」の正式な認知のもと、 このたび日本の安全保障の情報化と危機管理システムのネットワーク化について研究し、 米国など各国との国際協調やネットワーク化に支障をきたすことのないシステム構築を進めることを目的に発足いたしました。