「夕刊フジ」8305号, 産業経済新聞東京本社(平成8年6月7日)

政治家も乗り遅れるな! センセイたちのインターネットホームページ

誰でも簡単に開設

 ホームページは、インターネットへの接続業者へプロバイダー)を通じて誰でも開設できる。原則無料だが、載せる情報の量によって費用がかかることもある。

 企業、団体、個人などが開設しているホームページは教え方によっては無数に存在。最近ではオウム真理教、北朝鮮のホームページなどが話題になった。

 政治関係のページについて、インターネット雑誌の編集長は、「プロパガンダにホームページを使うのは当然のことだが、政治自体がおもしろくないから、ホームページもあまり面白くないですね。問題は政治家本人がやっているか、代理店にまかせているか。政治家の顔が見えることが大事」と話している。

世界とつながりジュージツ!

 これまで発信したリポートは、「大蔵省改革」から、NTT分割問題」「日銀問題」「農業改革」など六十を超える。

反応もますまずで、意見を返信してくれる数は一カ月に約三百件。年齢層も、中学生から七十歳のお年寄りまで幅広い。
 「核実験反対について発信した時は、千葉県の女子中学生から『頑張って』とメールが届きました。住専問題については相当厳しい反論もありましたね」

 メールへの返答は本会議や委員会の合間に。選挙区に絞った発信ができず、集票活動に直結しないのがつらいところだが…。  「政治家の使命としてメッセージは発信し続けるべき。有権者と政治家の距離を縮める機械があるのに利用しなければ、『情報が出せるのに出さない』という政治家不信につながると思うんです」

選挙運動利用は不可

 永田町では、梁瀬氏所属のさきがけが昨年六月、わが国初の政党ページを開い たのを契機に、開設ラッシュに。当初は「世界に発信」と英語版だった新進党は、昨年末の党首選では小沢一郎、羽川孜両氏がホームページで政見を発表。インターネット上で電子投票も行うなどススんでいる。

 公選法の規定などで、海外のように選挙運動への利用はできないが、議員個人でも、別表のように若手中心に開設が増えている。

世界とつながる感動

 昨年十月に「KEI HATA」を開設、今月初めには全面改装した新進党の畑恵参院議員のページは、「マルチメディアとして興味を持っていただけるよう、文章だけでなく映像や音声にも凝ってみました」となかなかだ。

 「今週のトピック」から「委員会報告」「文化政策」「海外視察リボート」など…。「世界から真に理解されるように」と、英語や仏語による発信も始め、「フランスや米国からメールが届くと、世界とつながっているという感動がありますね」とジュージツの日々。

広がるビジョン

 情報発信により、『そんなに一年懸命とは思わなかった』と誤解が解けたりと成果は大。それだけに多忙な畑さんもひまを見つけてはキーボードに向かう。

「最も大切なのは発信する人間自身。その人に内容がないと見てもらえなくなる。いくら忙しくても自分の考えを伝える『私信』ですから代理は頼めない」

 「インターネットを通じて、同じ主張や価値観の人々と連携し、自然発生的なシンクタンクやサポーターになっていただければ」
 畑さんのビジョンは果てしなく広がる。

 急激に高まりつつあるインターネット熱。パソコンを使って国会議員と政策討論というのも夢物語ではない。一度、アクセスしてみてはいかが?

選挙運動には使えないが効果は大!?

最近、リニューアルされた畑議員のホームページ。 映像や音声でも楽しめるように作られている
畑恵参院議員は「インターネットは発信者そのものが問われる」と指す

(今井正人撮影)