世界では貧困により靴が履けず、怪我をしたり命を落とす子どもがいます。そんなアフリカの子どもたちに靴を届けようと、作新学院では130周年記念日までに使用済みの運動靴“1万足”を目標に、回収運動に取り組みました。
作新の生徒会を中心に、足掛け3年にわたって進められたこのプロジェクトは難航をきわめ、一時は目標数の見直しも考えましたが、終盤になって全国へと支援の輪が広がり、目標を大きく上回る約1万5000足もの運動靴を集めることができました。
回収された靴は、送付国の検疫を通過できるよう、一足ずつ生徒たちが自分たちの手で洗浄し、よく乾燥させ、バラバラにならないよう一足ずつ靴紐で結んでペアにし、サイズ別に仕分けしてダンボール箱に詰めます。さらに各箱ごとに足数と重量を測り、それを箱に明記した上で、海外送付を担当して下さる支援団体へお渡ししました。
そのダンボールの数は、なんと500箱!
2015年11月に学院を旅立った運動靴は、翌年4月、学院が建設を支援してきたタンザニアの「さくら女子中学校」に到着。
また同月に1万2000足がカメルーンの首都ヤウンデに到着し、政府へ寄贈する贈呈式が行われた後、テロ組織ボコ・ハラムによって蹂躙され難民となっている子どもたちが暮らす極北部へと運ばれました。
カメルーンの極北部は、日本の外務省から最も危険な地域(退避勧告地域)に指定され、支援団体も立ち入りが禁止されているため、同国の初等教育省に搬送を引き継いでもらったわけです。
そして遂に2016年9月9日、難民の避難所となっているマルアの小学校へ、1万2000足の運動靴が無事到着しました。
ささやかではありますが、今回のプロジェクトがアフリカと日本の信頼をつなぐ縁(よすが)となり、一つ一つは小さな力でも積み重ねれば、やがて世の中を変えられる大きな力となることを、学院の子どもたちが学んでくれたならこんなに嬉しいことはありません。
ご協力くださった皆様方、本当にありがとうございました!