「遊ぶWindows」3巻4号, 宝島社(平成9年12月1日)

国会議員にとってのパソコン。ハードも重要ですが、それ以上にソフトが問題ですね

身近に強い味方がいて助かります

 基本的にアナログな人間なんですよね(笑)。もうキャスター時代も鉛筆と原稿用紙の世界。それが変わってきたのは、パリに在住した頃ですね。ようやくワープロを使いはじめて…。4年前です。

 パリはミニテルという、日本でいえばキャプテン・システムのような情報サービスが発達しているんです。美術館の展示情報とが、演劇やオペラのチケットを購入できたり。それが私のコンピュータ初体験ですね。ワープロでキーボードを使いはじめて、ミニテルでコンピュータの便利さを感じて、そこからパソコンに入っていった感じです。

 弟がコンピュータ関係の仕事をしているので、いざパソコンという段になっているいる手伝ってもらいました。これは恵まれてましたね。今でも、半分おんぶにだっこみたいな感じです(笑)。

 パソコンユーザーとしてのレベルですか? 私、何点ぐらいかしら(と傍らの弟さんに聞く)。10点満点で3点ぐらい? まだまだですね(笑)。

 はじめてホームページを開設したのが95年の9月。最初のホームページはあまり手をかけていなかったんですが、それを去年の6月にリニューアルして現在にいたっています。

 ホームページを持って感じたのは、自分で発信できるメディアをもつことの重要性ですね。いままでは私に関する情報なすべてマスコミを通じてみなさんに届いていたわけですよね。私の意図がうまく表現されていなかったり、曲解されたりしていても、こちらとしては何もできませんでした。それがいまは、一方に私が公開している情報があるわけですから、マスコミの方に対する、大げさな言い方をすれば抑止力になっているように感じます。

 それと双方向性も大きいですね。みなさんからメールをいただいて、なるべく目を通すようにしているんですけど…。メールって開けてみるまで、どんなことが書いてあるかわかりませんよね。正当なお叱りならきちんと聞きたいと思っているんですけど、なかには単なる誹謗・中傷のメールもあるんです。これは悩みの種ですね。ホームページも、どんな風にすれば有効に使いこなしていけるのが、これからも考えていかなければならないと感じています。

マルチメディアを日本の基幹産業に

 個人的に電子メールのやりとりも、もちろんしています。企業の方とか、今はパソコンを使わない人の方が少ないぐらいですから。どんな方とも個人レベルでやりとりできるのがありがたいですね。社会的に地位の高い方で、電話でも秘書を通してとがいろいろ手続きがありますが、電子メールはダイレクトだからいいですね。

 ただ議員の先生方はちょっと遅れていると思います。若い世代はそうでもないのですが、高齢の方はどうしてもアレルギーがあるようで…。

 ちょっと堅い話をしますと、コンピュータ関連の産業は日本の次なる基幹産業だと思うんです。いま日本の基幹産業は何かと聞かれたら、すぐには出てきません。だからこそ、コンピュータ、マルチメディアを基幹産業に育てていかなければならないはずなんです。その辺をちゃんと認識されている先生方が少ないと思います。

 私が今いちばん力を入れているのが国会内のマルチメディア化なんですが、その必要性と効果をきちんと理解していただいて、実際に使いこなしていく。そうした環境の中で次代の日本を考えていかなければならないと思いますね。そこでは、ただハードを整えればいいというのではなく、どう使っていくのかというソフトが重要だと思います。

 私の場合も同じことがいえて、事務所内にはLANが組んでありますし、町田にあるサーバーと専用線でつないでいます。ハードは整ってきたんですが、これをどう使いこなしていくかがこれからの課題ですね。弟と相談しながらがんばってい
きます(笑)。

 「なんか私、手から電波が出てるのか、よくカメラとか、時計とか壊れちゃうんですよ(笑)。パソコンもちょっと心配で…」

 96年にはフランス、ポーランドを外遊。かつて在往していたこともあって、フランスのサイトにアクセスすることも多いとか

  • 便用機種…IBM シンクパッド 701‐CS
  • 使用ソフト…マイクロソフト・オフィス95、ネットスケープ・ナビゲータ Ver.3.0