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「有名人のデジタル書斎術」,アスキー

「有名人のデジタル書斎術」
アスキー




畑 恵 参議院議員

一九六二年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒。八四年にNHKに入社し、「7時のニュース」などを担当。NHKを退職後、フリーランスとしてテレビ朝日と専属契約し、キャスターとして数々の番組に出演する。三年半のパリ留学後の九五年、参院選比例区に当選。現在は自民党に所属する。

自由民主党のインターネット委員会副委員長として、また「安全保障高度情報ネットワーク化研究会」や「参議院マルチメディア化推進増員懇談会」の事務局長として多忙な毎日を送る畑恵氏。典型的な文系人間だった畑氏が、マルチメディアに関わっている様子は、我々にとても参考になるはずだ。

家族の協力を得てホームページで政策発表

 かつてNHKの花形キャスターであり、現在は参議院議員の畑恵氏。国会のオンライン化やマルチメディアの産業化に力を入れている畑氏だが、意外にもつい最近まではパソコン音痴だったという。

「文系、アナログ人間の典型ですから。ワープロを使い始めたのさえ、つい四年前のことです」

 そんな畑氏だが、家族には技術肌の人間が多かった。父親は通信系のエンジニア、弟はコンピュータ・エンジニアなのである。

「パソコン関係については弟を始め、家族のサポートなしには何もできなかったのが真実です」

 ワープロに親しんだのは、国会議員になる前の二年間のパリ在住の時。静かな環境で勉強や書き物を存分にできたうえ、日常フランス語という横文字を使うので、次第にキーボードを叩くのが自然に感じられてきた。本格的にパソコンを使い始めたのは、国会議員に当選した直後。インターネットに関心を持ってからだ。

「インターネットやマルチメディアの問題に議員として積極的に取り組んでいこうと考えました。そこで、当選直後から自分のホームページをネット上に作る準備を始めました。一番力になってくれたのは弟でした。私は既に実家を離れて一人暮らしを始めていたので、実家の自分の部屋をコンピュータルームにしました。インターネットへの自前の専用回線もつなぎました。コンピュータの設置や回線の接続などは弟に全部まかせてしまいました。ですから実家にはもう寝る場所がないんです(笑)」

 ホームページを開いたのは九五年の十月。当初はまだ中身は充実していなかったという畑氏だが、政治活動を重ねていくうえで、マルチメディアに関する分野を自分の専門にする、という手応えは感じたという。ホームページのコンテンツは九六年の六月に大改訂され、国会での出来事に対して一、二週間に一度、二千字から四千字程度の原稿を書いて、ホームページ上で「今週のトピックス」として報告している。また、それとは別に国会内での委員会の報告や海外視察レポート、自分の主催している勉強会の要約などは、動きがある毎に遂時ホームページ上に掲載している。

「私は比例代表で当選したので、地元の選挙区がありません。その点、地元に始終帰らないといけない他の議員に比べたら多少時間がありますから、マルチメディアの問題に思う存分取り組めました。ようやく最近になって、その点を評価してもらっています」

 インターネットの特徴の一つは情報発信で、畑氏は自分の経験上、そんなメディアを市民が持てる意味は大きいという。

「たとえば鳩山さんや船田さんが新党を作る、作らないで大きな問題になったことがあります。しかし、あの問題は民主党の側からのリーク情報にマスコミが踊ってしまって、なかなかこちらの状況は報じられませんでした。だから私は自分のホームページで、自分が知っている経緯をつぶさに発表したんです。それを読んでもらって、やっと『実態はそうだったのか』と、納得してくれる現場の記者の方も出てくれました。

国会のマルチメディア化が急務

「円高不況やバブルの崩壊などで、従来の工業国としての日本は大きく揺らぎました。今、日本の基幹産業として世界に自信を持って主張できるものに何があるでしょ う。私は情報通信産業こそ二十一世紀に向けた日本の次の基幹産業になると思っています。すでに企業の中ではイントラネットなど、オンライン化は当たり前。電子メールで日々の打ち合わせや連絡をとっているところも少なくありません。一方、それに比べて、国会議員の中でのマルチメディア化は残念ながら遅れているのが現状なんです。大幅に、私が力を入れていこうと考えているのが、国会内でのLANの実現といった永田町のマルチメディア化です」

 現在、畑氏は自民党内に「参議院マルチメディア化推進議員懇談会」を作り、その事務局長として国会議員たちに対してマルチメディアに関する啓蒙を行っている。

 各国会議員のもとには、各省庁から、一年間に電話帳にして約百冊にのぼる膨大な資料が届く。これではとても必要な状況を適宜取り出すことなどできない。しかも、結果的にはやがて大部分がゴミと なる運命をたどる。

「まずそんな資料を電子化して、随時必要に応じて簡単に引き出せるような形にすべきですか」

 さらにインターネットを介して、世界各国の政府や図書館、研究機関などにアクセスすれば、瞬時にして必要なデータを世界中から引き出すことが可能なる。

「インターネットを利用することで、国民にとっても開かれた国会になることができます。議員から直接国民に自分の政策を訴えることができますし、また国民からも直接、意見や要望を寄せてもらうこともできます。日々の委員会の審議状況なども、できるだけ早く国民が必要に応じてネット上から引き出せるようにするのが理想ですよね」

 とはいえ、なかなか簡単にはいかない点もあるという。

「衆議院と参議院は、まったく別の組織なんです。国会内のLAN作りも結局、衆議院と参議院が別々で連絡をとっている様子がないんです」

 国会内LANの設置については、現在予算要求などの話をつめているところだ。

 一方、畑氏は自民党の「インターネット委員会」の副委員長でもある。与党自民党内での決定が、最終的に国の方向性を決めてしまう重要なものであることから、党内の「政務調査会」などでの討議の経緯をインターネット上の自民党ホームページで奔走した結果、党内LANのスタートともいえる二十五台のパソコン導入に成功。

「もっとも理想論だけで突っ走ってしまうと、日本のような全体主義的な素地があるところでは、バーチャルリーダーによるマインドコントロールも危倶されますからね。安易にマルチメディア化ばかりを先行すると大きな問題を引き起こしますから、真剣に考えないとセキュリティについても」

選挙で相手を落とすなら、インターネットをさせろ

「ネットサーフィンって、始めると気づかないうちに何時間ものめり込んじやいますから。「選挙で相手候補を落とすなら、インターネットをさせるもという笑い話もあるくらい時間を食います(笑)。この頃は忙しくて時間もないから、なかなかネットサーフィンできないんですけど」

 そんな行動派議員愛用のパソコンはIBM製「Think Pad 701‐CS」。これは持ち運びやすいから使っているとのこと。その愛機のなかのブックマークリストを見せてもらった。

「やはり情報のチェックが最初にきます。朝日新聞や日経新聞のページは回りますね。オンライン上の新聞は、時事刻々と変わるので参考にしています」

 ただ畑氏の好みとしては、パリ生活が長かっただけに、フランス文化の紹介のページが上のようだ。

「フランス文化省のページにはパリで行われている展覧会の紹介コーナーなどがあっていいですね。特に今、パリで行われている美術展に出展されている絵などのチェックはしてしまいます。瞬間、パリに戻った気にさせてくれるんですよね。」

母校からのメールにカルチャーショック

 母校の横浜市立本町小学校のページにもよくアクセスするという。畑氏の母校は文部省のインターネット推進校の一つになっているのだ。

「子供たちの感覚ってすごいんですよ。発想が柔軟だから、『色』や『形』などから自由なページ作りを存分に楽しんでいるんです。ただ、先日彼らからのメールで

『昔の三十年前の遊びや学校の様子を教えてください』とあって、ビックリ。私、もう三十年前を知っている年代になってしまったんですよね。たとえば『カチカチボール』や『牛乳瓶のフタをひっくり返す遊び』、それに昔の道具『ハタキ』や『チリトリ』とか。どれも今の子供は知らないものば

かりなんです。せっかくだから教えてあげましたけど、『私ってそんな昔の人なの!?』ってショックを受けました(笑)」

 他によく訪れるホームページは、「ウェブ・ミュージアム」や「大林組・マルチメディア・スタジオ」。さらに伝説のページ「富ヶ谷」など。

「アート関係は好きなのですが、「大林組」の美術展などは、地方の美術展も見れるので好きですね。「富ヶ谷」はやはり先端的なサイトですから、わけがわからないところが好きです。カエルの解剖の仕方のページなど、『いったい、これってナニ?」という感じのページばかりなので、つい時間がたってしまいます」

 ところで畑氏は、そんなサイトをどうやって探しているのだろうか?

「検索エンジンを使って、最初は自分でやっていたんですけど、最近は忙しいので秘書の方や弟にお願いしたりしていて…。どうも皆さんにはご苦労をおかけして、すみません(笑)」

 政治に関してはインターネットの分野でアメリカに出遅れている日本。今後いかなる展開を見せるのか、注意深く見守っていくべき分野のひとつだろう。

小学校のホームページで子供たちの感性に触れてみる

 畑氏がよくアクセスするという母校「横浜市立本町小学校」のホームページ 「Honcho‐es HomePage1」は、インターネットとイントラネットを利用した学習報告のサイトでもある。体験学習のレポート、授業実戦の報告、クラブ活動などが写真やグラフィックを使って紹介されている。イントラネット使用ページには入れないが、それでも“今どきの”小学生たちの生活を垣間見ることができ、なかなか興味深い。子供たちが作ったアイコンもとても楽しい。

「大林組・マルチメディアスタジオ」は「サイバースタジオ」「サイバーミュージアム」「What's News」の3つのカテゴリーで構成されたサイト。「サイバースタジオ」では大林マルチメディアスタジオの紹介と今まで制作したタイトルのプレビューができる。「サイバーミュージアム」では各種展覧会の情報とその会場のヴァーチャルスペースが用意されている。

 アート関係が好き、しかもフランス留学経験のある畑氏は「フランス文化省〜CULTURE」 もブックマークに登録している。このサイトはフランスの美術館、展覧会、コンサートなどを検索・紹介するもので、オープンページからキーワードでタイトルのヘッドライン検索ができ、そこから各ページにリンクするというリンク集的なもの。ただしオープンページは443Kもあり、通信環境が速くないとページが開くまでひと苦労。さらにページ自体が重いのでスクロールにも時間がかかる。内容が充実しているだけに、この重さはぜひ改善してもらいたい。

読む人にやさしい政策提言の公開ページ

 畑恵氏のホームページにアクセスすると、テレビでお馴染みの畑氏の顔がまず登場。その写真の周りには「マルチメディア」「文化政策」「国際交流」など畑氏が力を入れている政策提言のボタンが散りばめられている。写真が貼り付けられているのに、非常に軽くスムーズにアクセスできるのが特徴。英語やフランス語、さらに畑氏の声もクリックひとつで聞けるので、続む人にやさしい作りになっている。

 トピックスのボタンを押してみた。すると、5月23日に書いたばかりのマルチメディアに関する政策提言が書かれていた。バックナンバーの項目を覗くと、「鳩船新党問題の行方」「新進党を離党した理由」などちょっと読んでみたいトピックがつまっていた。



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