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「週刊読売」,56巻13号,読売新聞社

「週刊読売」
56巻13号
読売新聞社




田中玲子のオフレコ永田町

自民畑で育つ「ひよこっち」

 「自民党本部の廊下をヒヨコが走っている」

 昨年暮れに新進党を離党、自民党に入党した参議院議員・畑恵氏が、小柄な体で「参議院マルチメディア化推進議員懇談会」発会にむけて走り回る姿を見て、自民党議員たちがこう言った。

 衆議院は「情報産業議員連盟」(小渕恵三会長)の働きで、この秋、各部屋にマルチメディア化対応の端末が入るが、参議院は遅れている。衆議院に追いつき、追い越すのが議員懇談会の目的だ。

 「畑恵が一生懸命だから、手伝ってやれ」

 自民党のインターネットを設計した小野晋也代議士(東大工学部大学院修了、愛媛三区)が技術面の指導者。

 「自民党に入る時なぜ自民党か、何のため議員になったか聞いたら、コレをしたいと言うから、じゃあ新風を吹き込んでくれ、と言ったんだ」

 議員集団の運び方については、参院自民党のドン・村上正邦幹事長が指導した。そして迎えた三月五日の発会式。

 「カメラの放列がないじゃないか。NHKにいたんだろ」 「要点を言え。問題は、衆議院先行に追いつくには、どうしたらいいかだ」

 「予算(を取ること)は、こっちが専門だから。配分?いいって、分かってるから」

 手とり足とり村上氏の指導があり、村上氏の

 「手とり足とり、よろしく」

 を合図に発会式は終わった。

 畑氏は参議院当選と同時にホームページを開設し

 「マルチメディア族議員第一号を目指す」
 と第一ページで宣言している。いま時、族議員志願?

 「ハイ、世間の族議員悪玉論にあえて挑戦したい。政財官の癒着、私益、省益はいけないが、国益、地球益のための族議員は今こそ必要です」

 昨年、「鳩船新党」問題で船田元・元経企庁長官が新進党役員を解任された時は、ホームページで船田氏の本音を代弁し、話題となった。船田氏も自民党に復党したが、別の議員集団なのは残念ね。

 「ええ、お茶の世界でも、表千家と裏千家は全部逆。国会でも、衆議院と参議院は独立国家。衆議院のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)と参議院のLANは別なんです」

 それはともかく、時代の先端を行くこの分野で先陣を切るのはカッコいい。力をつけ、業界に顔がきくようになりたい。議員懇談会を呼びかけると、父親の年齢の議員たちが

 「いいですよ、どうぞ」

 と、畑氏の事務局長就任を快諾し、議運の初会合では

 「異議なし」

 を連発した。

 「自民党は対応が早い。事務局も慣れている」

 新進党時代、宗教法人法改正阻止のため、とがったハイヒールで武装したタマゴはヒヨコになり、女性に甘いオジサンたちが、たまごっちを育てるように大事に育てている。“ひよこっち”だ。オジサン中のオジサン、村上氏が

 「手とり足とり」

 と言ったのは象徴的だった。

 「イヤ、手とり足とり、パソコンを勉強しましょ、という意味で言ったんだよ」

 鬼の村上氏もひよこっちを楽しんでいる。

田村玲子プロフィル 東大卒。産経新聞に入り、大蔵省、通産省、首相官邸、自民党クラブを担当。初の女性政治記者。現在フリー。
イラスト 牧野圭一



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